自然の恵みを受けて芽吹く命
原農場
熊本県菊池市 原誠一さん・康展さん
水清き緑の里・熊本県菊池市
菊池渓谷
熊本県の北東部に位置する菊池市には名水百選や日本森林浴の森百選に選出された菊池渓谷があり、そこを源流とする菊池川とその支流の迫間(はざま)川流域に広がる米どころ、七城町にある原農場。
あたり一帯見渡す限り田んぼが広がり、田んぼや道路の脇にはどこまでも透き通った阿蘇伏流水の豊かな湧水が流れています。
見上げた空は吸い込まれそうなほど広く、そして青く、雲がとても近くに感じます。
ふと、遠くを見やるとおばあちゃんが、家の脇の川で洗い物をしています。これは日常の光景…。
ミネラル分がバランスよく溶け込んだやさしい天然水。
5月にはホタルがたくさん来ます。
美味しい湧水がとうとうと流れ込む七城町の田んぼは花崗岩が削られた砂地や水はけがよく、栄養分を含みやすい真土からなるおいしい米つくりに適した豊かな土壌。
※1
※2
※1 前川水源のシンボル二連水車
※2 熊本名水百選のひとつである菊地市の前川水源には市内外からも水を汲みに来る人が後を絶ちません。
この地区で採れるお米は江戸時代には『幻の菊池米』と呼ばれ、2016年には(財)日本穀物検定協会が発表する「食味ランキング」で最高評価の『特A』を受賞しました。それ以前にも何度も受賞しています。
水田には阿蘇の湧水ミネラルウォーター
自然豊かな米どころで自然農業を営まれる原農場
阿蘇の山並みをパノラマで見ることが出来る原農場
受け継がれる農場のかたち
今年で無農薬、無肥料の農業をはじめて32年目(H29年度)、自然栽培をはじめて12年目になります。
現在、自然栽培のお米をはじめ、農薬、化学肥料を一切使わない古代米・小麦を栽培され、自家製粉した粉類、自家焙煎した麦茶、自家栽培した原料を加工したそうめんやうどん、手焼きせんべいを息子の康展さんと一緒に作られています。
手前:原誠一さん
奥:息子の康展さん
農薬を使用しない農業を始めたきっかけは、
【お子さんが産まれたこと】
現在、日本国民の3人に1人、赤ちゃんの10人に1人が食物アレルギーと言われています。「お子さんにもアレルギーなどがあったのですか?」と質問しましたが、まったく、なかったとのこと。
ただ、生まれてきた子供にいつも食べさせるものくらいは安心で安全なものをという思いがあったそうです。
元々、奥様のご実家では無農薬でお米を作っていました。
原家に嫁がれ、無農薬農業を始める前、農薬にさらされた奥様が体調を崩されたことも、無農薬農業への新たな試みへの第1歩を踏みだす大きな後押しとなったことでしょう。
自然との共存、“ジャンボタニシくん”登場
しかし、無農薬を始められた当初はまったく育たなかったそうです。
『草が生えて土壌の大切な養分をとられ、まったく育ちませんでした。
何年か後に、草と害虫を除去するため合鴨農業を10数年、15年くらい前からジャンボタニシがきたから合鴨をやめてジャンボタニシをつかい始めたのですよ。』
…ジャンボタニシがきた??
実は20年前、原さんのお住まいの地域に食用ジャンボタニシの養殖場が何か所かあったそうです。 そこから逃げ出して原さんの田んぼに辿り着いた子たちが今、原農場で大活躍のジャンボタニシくん達。
ただ、食いしん坊のうえ、繁殖力がすごいので増えすぎて大変だそうです。
食害でジャンボタニシを駆除される農家さんも多い中、水管理をしながら共存することを選ばれた原さん。
『冬場は冬眠しているのですよ。春になって田んぼに水を入れたら起きて出てくるんです。増えすぎると稲の苗を食べてしまうので、水を落として調整しています。』
水田に水を入れないと3日程度で田んぼの表面はカラカラになるそうで、水を張ってるときは自由に動いていたタニシくんも、水が少なくなってくると急いで水のある溝へ移動。完全になくなると土の中に潜っていきます。
ジャンボタニシが食べる草は田んぼの中にある小さな草、水面から顔を出した草はたべません。草によってはタニシくんたちのお好みではないものもあるそうで、そんな草やタニシくんたちが食べ損ね、成長して水面からでた雑草は人の手で除草作業します。
自然を受け入れ、田畑を慈しむ心
フカフカの大地に芽吹いた小麦たち
田んぼ、田んぼで生きる生き物たち、環境、人々。
みんなに優しい方法で、大切に大切に育まれてきた土壌はフカフカのお布団のように暖かく、柔らかく、そこに根付く植物はどんな植物でもすくすく育ちそうに見えました。
『それでも、一番大変なことは「天候」なんです。雨が多くても日照りが続いてもだめ。でも、雨も風も必要なんです。』
ありのままの自然を受けとめ、そして次の世代にもよりよいかたちで受け継いでゆくために、努力を惜しまない原さん。
自然をまもり、生かす徹底した管理のもと、豊かな水源、米つくりに適した豊かな土壌で原農場に育つ食物たちは本来の生命力を育んできました。
広大な水田に流れ込む、澄んだ美しい水は地下38mから汲み上げた阿蘇の地下水を使用しています。
清らかな地下水で満たされた池の中で気持ちよさそうに泳ぐ原家(自宅)の鯉たち
「ヒノヒカリ」
玄米100%。とても食べやすい玄米です
原さんの田んぼで栽培されているのは「ヒノヒカリ」という品種のお米です。
「ヒノヒカリ」の名前の由来は〈西日本(九州)の太陽を現す「日」と、光り輝くようなお米粒〉からきています。
その由来のとおり、炊き上がりを見てみますと、みずみずしく綺麗な艶がでています。
一粒一粒は小粒ですが、ふっくらしていて、適度な粘りがありますが、噛むとさっぱりとした甘みがあります。
なにより冷えてもパサつかず、とても美味しく、おにぎりにもぴったりなお米です。
玄米100%はちょっと苦手といわれる方も、一口食べてみると、臭みがなくあまりの食べやすさに驚かれていました。
これからますます暖かくなり、お花見や遠足など、おでかけが楽しみな季節。
炊きたてご飯のおにぎりを持って、春を楽しみたいですね。
『今、これをつかってこういうのができないかと考えているんですよ』
と、原農場で採れたもので新たな商品開発の可能性を模索する原さん。わぁ!いいですね!ぜひ、製品化してくださいね!
お父さまから受け継がれた広大な田畑。
息子の康展さんと大切に育まれながら、原誠一さんの挑戦は続きます。
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